さすがのわたしも

ついさきほどの話。 夜の9時を少し回って、きのう娘と二人で借りたCDをTSUTAYAに返してこようと家を出た。 ついでにあさっての仕事の資料を持っていって、10時の閉店までスターバックスで読んでこようとも思った。 家の隣はカラオケ屋さんで、隣はジムで、そ…

あれから、これから

桜が咲いて、もう散りはじめている。 歩いている人の髪に、桜の花びらがとまっている。 男性にも、女性にも、若い人にも、年配の人にも。 桜は同じように花びらを降らせる。 あの日の前にはもう戻れない。 それはいつのときも変わらない。 何があったとして…

運命の人

きのうと同じ書きだしを使おう。 わたしは、外を歩くときに人よりきょろきょろしているらしく、 街で知り合いを見つける確率が非常に高い。 ほんとうにそうなのだ。 これは十代の頃からで、高校のともだちに「生きてる人を呼ぶイタコ」とあだ名されたことも…

他生の縁

わたしは、外を歩くときに人よりきょろきょろしているらしく、 街で知り合いを見つける確率が非常に高い。 知り合いでなくても、たとえば、朝、最寄りの駅で同じ電車の同じ車両に乗った人が、 帰りの電車でまた同じ車両にいるのを見つけたり、 地下鉄の通路…

銀のライター

父が遺していった、銀のデュポンのライター。 まだ元気だったときに、なんとなくもらって、3年前にオーバーホールに出した。 部品も取り寄せだったとかで、9000円かかった。 ライターが帰ってきてしばらくして父は亡くなった。 線香の火をつけるのに使おうか…

All the years and all the tears...

『宇宙からの手紙』(角川グループパブリッシング)で、著者マイク・ドゥーリーさんのことを知り、毎日届くメールマガジンを読んでいる。 口語の英文だから、正直いってさらっと読むだけでは半分以下くらいしか意味がわからないのだけれど、さっき開いたきょ…

アポー・パイ!

息子の高校の同級生にはおっとりした子が多いのだけれど、なかでもとくにおっとりしていて地顔が笑顔だというNくんは、幼少の頃、ご両親とニューヨークにいたらしい。 住まいの近くに、とてもおいしいパイのお店があり、Nくんのおかあさんは一番人気のアップ…

コリンちゃん

コリン・ファースがアカデミー賞の主演男優賞をとった。 あのコリンちゃんが。 10年くらい前、わたしは洋画ファンだった。 わたしが洋画をビデオで見始めたのは、息子が生まれてから。 それまでは映画館にも数えるほどしかいっていなかった。 落語や芝居が好…

地味な野鳥コンテスト

親友と呼ぶには怖すぎる人のことを「畏友」と呼ぶとすると、まぎれもない「畏友」の一人Y女史が、 わたしのことを「マニアにだけ受ける地味な野鳥」と評したことがあった。 とにかく地味なので、街なかで飼っていても目立つことはないが、ごく稀に、同好の士…

銭湯のおもひで

友人とお茶を飲んでいたら、温泉の話になった。 前を隠すとか隠さないとかその筋に持っていくのが好きな人なので、 わたしは中学2年まで通っていた北品川の銭湯の話をした。 わたしたちにとってはそれが「お風呂」で、呼び名も「お風呂」だった。 夜になって…

memory of lover

日曜劇場『冬のサクラ』。 本編は一回しか見ていないが、予告編や番組宣伝を見ては娘と語り合っている。 脳に腫瘍を持つ主婦が年下の男性に恋をして、手術をしたら記憶をなくしてしまうということを気に病んで、ぐずぐずしているうちに手遅れになるというス…

女性専用車両の乗り心地

朝早めの仕事で、JRの最寄りの駅を出るとき、混雑を避けてだんだんに先頭のほうへ移動していき、乗ってみたらば、あれ、女性専用車両だった。 上は70代から下は10代まで、乗客は女性ばかり。 当たり前だけど。 このブログでも再三書いているように、わたしは…

白子鍋

先日、とてもおいしい、鯛の白子のパスタをごちそうになった。 作ってくれた人に「白子食べられる?」に聞かれ「もちろん」と答えたのだけれど、 そのときに、生まれて初めて食べた白子鍋のことを思い出した。 当時はまだ女子大生で、ある新聞社系の週刊誌で…

あくび指南

健康雑誌の記事を読んだのがきっかけで、編集者として携わった女性誌でお仕事をお願いした、アーバン・シャーマンの安田隆さん。 初めてお会いしたのはもう6年近くも前のことです。月日の経つのは早いもの。 著書多数、開発した問題解決「技」無数という彼が…

エンゲージ

坂道を下りながら、二人で空を見た。 きょうはいっぱい出てるね、星。 うん。 ポケットに手をつっこんでいるから、 その手首のすきまに、わたしが手を入れてみた。 腕を組んでることになった。 ほどかれなかった。 坂道を下りきっても、しばらくそうして歩い…

反対語

PTA会長時代の会長仲間の娘さん、小学校4年Aちゃんのお話。 ある日彼女はおかあさんにこう尋ねたそうな。 「ママ、過保護の反対ってなに?」 ママの答え。 「放任よ」 Aちゃんの叫び。 「Aはいままで、ホウニンされてたんだああ!」 Aちゃんは「放任」という…

come back to you

この半年、いそがしかったあああああ。 執筆代行という、人に代わっておしおき、じゃなくて、人に代わってその人の文章を書くという、 職人仕事の中身と外身を、いちから作っていたのだ。 物書きとしての技術、編集者としての技術、女性としての受け止め力、…

夢の裏打ち

きのうの明け方、長い夢を見ていたらしい。ストーリーがしっかりしていて、エピソードのつながりかたに破綻がなかったようで、起きてからも、その手応えのようなものが残っていた。きのうは、午後から出かけて、人に会ったり、仕事をしたりしていたのだが、…

女ともだち

中高大、女子校育ちのわたしにとって、ともだちというのは、基本、女ともだちである。6年間につきあった子は、学年の生徒数でいえば250人。 毎年クラス替えがあったけれども、そのなかで、親しく言葉を交わしたのは、通算で、ちょうどひとクラス分の50人くら…

おおきなもの

しばらくぶりに、自分の時間が戻ってきた。カフェの窓から、外の景色に向かって、自分を解き放した。すると、五感で感じきれないものの大きさに、ふいに気づいた。いわゆる「目には見えないもの」。それは、とてつもなく、大きい。その大きさと豊かさに圧倒…

三次元

インフルエンザの次は花粉対策ということで、マスクの広告が目につく。 わたしが気になっているのは「三次元マスク」。 他のマスクがいくらぺったんこに見えても、二次元だったら触れないし、まして装着できないわけで、このネーミングはなにか勘違いしてる…

蒼い時

七年くらい前、またメイクを始めようと思い立ったころに、コンサルティングを受けて買ったゲランの香水が、いよいよ残り少なくなってきた。 合間に別のオー・デ・コロンやオー・デ・パルファンを使いながら、おもに秋冬に大事に使ってきた「ルール・ブリュ」…

double action

同じ年のともだちが、早くリタイアしたいなあ、というのを、続けて三人分聞いた。 会社に勤めているともだちは、定年退職まであと10年という節目を迎えている。 えええ? 自分で書いておいて二度見したくなるなあ。 あと10年で定年? お父さんのことじゃなく…

ファミリア

2010年になって、仕事で出かけることが多くなり、人にもたくさん会っている。 初対面というのは苦手ではないのだけれど、接する相手に瞬間最大風速のようによくしたいという気持ちが、自分の意識の管理下にはないため、エネルギーはかなり使い果たしているよ…

ベビーカー

最近のベビーカーの立派なこと。 頑丈そうな作りで、赤ちゃんが高いところにいて、三輪だったりもして、そこのけ感がある。 背の高いママやパパが押してもさまになるんだね。 息子が赤ん坊のときの折りたたみベビーカーは、それは簡便で、眠ってしまうとホー…

檸檬、じゃないけど

「わたしの」のあとに作った文章に出てきた言葉をそれぞれ連想していくことで無意識に下りていく方法を、ある心理療法家に教わった。 「わたしの喜び」について連想していくうちに出てきた言葉のなかに「万年筆」があった。 万年筆で原稿を書く、ということ…

女神

午後7時に近い通勤電車。 乗換駅で、乗客が大きく動いた。 立っていたわたしは座ろうと体の向きを変える。 わたしの横で同じように座席を目指す男性の顔に目を留めた。 眉の上に、横向きの稲妻のタトゥがある。 髪は短く、黒のスポーティなジャンパーに防寒…

arriver

母の家からの帰り、電車の椅子の暖房があんまり熱くて膝の裏が焼けそうに思い、立ってドアのところの窓から景色を眺めた。 郊外の住宅地が続く。 屋根と屋根が重なりあうようだ。 マンションもところどころに立っている。 人の生活が家や建物の形で見えてい…

A Happy New Year !

2010年が明けた。 09から10へ。 見た目にも大きく感じが変わった。 一桁から二桁へ。 新しいステージが始まった。 みんな、元気でいこう。

ただいま。

クリスマスイブの昨夜。 ゲームに興じる家族を尻目に、9時頃から寝入ってしまった。 12時過ぎに起きて、夜のフルコース(体操・入浴・下着の洗濯)を済ませたら2時寸前。 布団に入ったら、すごく眠いんだけど眠りにくいという状態になった。 それで、かなり…