2010-01-01から1年間の記事一覧

あくび指南

健康雑誌の記事を読んだのがきっかけで、編集者として携わった女性誌でお仕事をお願いした、アーバン・シャーマンの安田隆さん。 初めてお会いしたのはもう6年近くも前のことです。月日の経つのは早いもの。 著書多数、開発した問題解決「技」無数という彼が…

エンゲージ

坂道を下りながら、二人で空を見た。 きょうはいっぱい出てるね、星。 うん。 ポケットに手をつっこんでいるから、 その手首のすきまに、わたしが手を入れてみた。 腕を組んでることになった。 ほどかれなかった。 坂道を下りきっても、しばらくそうして歩い…

反対語

PTA会長時代の会長仲間の娘さん、小学校4年Aちゃんのお話。 ある日彼女はおかあさんにこう尋ねたそうな。 「ママ、過保護の反対ってなに?」 ママの答え。 「放任よ」 Aちゃんの叫び。 「Aはいままで、ホウニンされてたんだああ!」 Aちゃんは「放任」という…

come back to you

この半年、いそがしかったあああああ。 執筆代行という、人に代わっておしおき、じゃなくて、人に代わってその人の文章を書くという、 職人仕事の中身と外身を、いちから作っていたのだ。 物書きとしての技術、編集者としての技術、女性としての受け止め力、…

夢の裏打ち

きのうの明け方、長い夢を見ていたらしい。ストーリーがしっかりしていて、エピソードのつながりかたに破綻がなかったようで、起きてからも、その手応えのようなものが残っていた。きのうは、午後から出かけて、人に会ったり、仕事をしたりしていたのだが、…

女ともだち

中高大、女子校育ちのわたしにとって、ともだちというのは、基本、女ともだちである。6年間につきあった子は、学年の生徒数でいえば250人。 毎年クラス替えがあったけれども、そのなかで、親しく言葉を交わしたのは、通算で、ちょうどひとクラス分の50人くら…

おおきなもの

しばらくぶりに、自分の時間が戻ってきた。カフェの窓から、外の景色に向かって、自分を解き放した。すると、五感で感じきれないものの大きさに、ふいに気づいた。いわゆる「目には見えないもの」。それは、とてつもなく、大きい。その大きさと豊かさに圧倒…

三次元

インフルエンザの次は花粉対策ということで、マスクの広告が目につく。 わたしが気になっているのは「三次元マスク」。 他のマスクがいくらぺったんこに見えても、二次元だったら触れないし、まして装着できないわけで、このネーミングはなにか勘違いしてる…

蒼い時

七年くらい前、またメイクを始めようと思い立ったころに、コンサルティングを受けて買ったゲランの香水が、いよいよ残り少なくなってきた。 合間に別のオー・デ・コロンやオー・デ・パルファンを使いながら、おもに秋冬に大事に使ってきた「ルール・ブリュ」…

double action

同じ年のともだちが、早くリタイアしたいなあ、というのを、続けて三人分聞いた。 会社に勤めているともだちは、定年退職まであと10年という節目を迎えている。 えええ? 自分で書いておいて二度見したくなるなあ。 あと10年で定年? お父さんのことじゃなく…

ファミリア

2010年になって、仕事で出かけることが多くなり、人にもたくさん会っている。 初対面というのは苦手ではないのだけれど、接する相手に瞬間最大風速のようによくしたいという気持ちが、自分の意識の管理下にはないため、エネルギーはかなり使い果たしているよ…

ベビーカー

最近のベビーカーの立派なこと。 頑丈そうな作りで、赤ちゃんが高いところにいて、三輪だったりもして、そこのけ感がある。 背の高いママやパパが押してもさまになるんだね。 息子が赤ん坊のときの折りたたみベビーカーは、それは簡便で、眠ってしまうとホー…

檸檬、じゃないけど

「わたしの」のあとに作った文章に出てきた言葉をそれぞれ連想していくことで無意識に下りていく方法を、ある心理療法家に教わった。 「わたしの喜び」について連想していくうちに出てきた言葉のなかに「万年筆」があった。 万年筆で原稿を書く、ということ…

女神

午後7時に近い通勤電車。 乗換駅で、乗客が大きく動いた。 立っていたわたしは座ろうと体の向きを変える。 わたしの横で同じように座席を目指す男性の顔に目を留めた。 眉の上に、横向きの稲妻のタトゥがある。 髪は短く、黒のスポーティなジャンパーに防寒…

arriver

母の家からの帰り、電車の椅子の暖房があんまり熱くて膝の裏が焼けそうに思い、立ってドアのところの窓から景色を眺めた。 郊外の住宅地が続く。 屋根と屋根が重なりあうようだ。 マンションもところどころに立っている。 人の生活が家や建物の形で見えてい…