キャンドルサービス

中学高校と大学も、ミッションスクールに通ったおかげで、クリスマスの思い出には事欠かない。
中学1年の、初めてのクリスマス礼拝の前に、一枚のプリントが配られた。
そこにはキャンドルサービスのための手持ちの燭台の作り方が書いてあって、各自それを作って礼拝のときに持参しなさいとあった。
細かいサイズまでは覚えていないが、段ボールを長短の短冊型に切って、それを組み合わせて十字架を作り、アルミホイルで覆ってから、十字の合わせ目に釘を裏から表へ刺して、裏をテープで留める、というものだった。
その釘でろうそくを固定するというわけ。
釘の大きさの指定もあったと思うのだが、クラスメイトの一人(名前は秘す)が、五寸釘を刺してきてしまった。
教室でろうそくをもらって立てようとしたら、あっという間に粉々に。
どのように収拾したのかまでは、わたしは知らないのだけれど、クリスマス礼拝というと、キャンドルサービス、五寸釘、という連想は以来わたしのなかの定番となっている。
卒業アルバムには、このときのキャンドルサービスの写真もあって、アウトフォーカスでろうそくの光と讃美歌を歌う少女たちの横顔をとらえたモノクロの、それはホーリーな一枚なのだが、このなかの誰かは五寸釘に泣いたあとなのだ。