遅れてきた『24』

先月半ば、知人から、あの、『24』のシーズン1のDVDを全作一気に貸してもらって以来、いったい何年遅れかという「24祭り」に毎夜参加している。

キーファー・サザーランドは『スタンド・バイ・ミー』でリヴァー・フェニックスの不良の兄ちゃんだった。
いい不良っぷりで、さすが二世俳優と思ったものだが、あれから順調に、やんちゃなおじさんに育ったわけね。

シーズン1は、毎分毎秒がつっこみどころで、盛り上がるのは毎回最後の2分じゃないの、と不満も募ったが、その2分のためにまた次も見なければならない、という拘束感が、いっそ小気味いいのだった。

いま見ているのはシーズン2の午前1時あたり。
「明ける」のが午前8時だから、残り三分の一弱。
シーズン1とは打って変わった緊迫感が、これまた癖になる。

噂ではシーズン5が「最高傑作」とか。
そんなあ、という気持ちである。
だからといって、3と4飛ばしていきなり5は見られないもん。

ここまでのところ、マイ・ベスト・キャラクターはシーズン2の大統領の側近の女性リン・クレスギ。
ミシェル・フォーブスという女優なのだが、全編狭い司令部内だけの演技で、テンションを保ち続けているのがすごい。
シーンがあちこち切り替わっても、彼女が出てくると、あー、時間はつながってるんだと感じられるのだ。
彼女はこの一日、ずーっとここにいて奮闘してるんだな、と。
実際は何か月にも及ぶのであろう撮影期間中、同じ色彩で役に集中するのは大変なことだろう。
うちのモニターの画面の調整がどうも効かなくて、映像の上下がつぶれたままなので、彼女の顔も肩幅も異様にがっちりしていて、それでよけいに「職人気質」に口紅塗ったように見えるのが頼もしい。
最後まで、応援しているからね。