愛玩物

ぬいぐるみはモヘアに限ると思う。
純毛でないと愛せない。
おのずと外国製のものに走る。
ドイツの老舗シュタイフ
お茶目なイギリスのメアリーソート。
シュタイフでわたしがいま愛玩しているのは、プリンセス・モーリー・ベアのはちみつ色。
いちばん小さいサイズなので、バッグに入れて連れて歩ける。
メアリーソートのパンキンヘッドといういたずらっぽいクマにも長年憧れていたのだが、去年のクリスマスについに入手。
ピンク色のボディに、ミルク色のおなかと頭のほやほや毛、足先と鼻先は白、青い目。
胴体と頭、手足が小さな鉤型の部品でジョイントされた「ベイビーパンキン」。
ちょっと動かすとあちこちがくなくなするのがたまらなくかわいい。
これも片手で持てる小さなものだが、モーリーほどシャンプーには耐えられなさそうなので、留守番させている。
Macに向かうときなど、なかば無意識にモーリーを自分のセーターの胸元にはさんでいることがあって、こどもたちに仰天されたり呆れられたり。
こどもたちが赤ん坊のときには授乳しながら原稿書きもしたので、その名残かと思われる。
胸元になにかが取りついていると落ち着く。
同じぬいぐるみ好きでも、娘はリアル指向で、シュタイフのポニーとうさぎと狼を持っている。
動物の擬人化やデフォルメは許せないそうだ。
といいながら、彼女も去年わたしといっしょにメアリーソートのブルーの子を即決で買ったのは、デフォルメもレベルによる、といいたいのかも知れない。
制作側の意図より、ぬいぐるみ自身のかわいさが勝るというレベルがあるのだ。
もちろん、デザインしているのは制作者なのだけれど、ぬいぐるみや人形はそれを超えることがある。
わたしがおそらく生涯ぬいぐるみと人形の愛好者でありつづけるのは、そこに魅せられているからだ。
以上、モーリーとともに記す。