筆記用具

文章を書くにあたっては、筆記用具にもついこだわる。
おあつらえむきに、いきつけのカフェの隣は文房具屋さん。
そこに寄って、ペンのインクの替えを買ってから、あるいは、原稿用紙やノートを買ってから、おもむろにカフェに移動する日もよくある。

原稿用紙は、大学時代から使っている、緑色の表紙で綴ってあるコクヨのもの。
B5の400字詰め横書きを、横位置に置いて、縦書きにして使う。
同じコクヨの縦書き用は、200字詰めで一行が長くなり、ちょっと書きにくい。
枚数も倍使うことになり、原稿全体の把握に時間がかかる。
きのうの話ではないが、ただ「慣れ」の問題ではある。

ノートもコクヨのCampus。
去年発見した細長い版型で、SlimB5というらしい。
それのA罫、つまり太いほう、7mm幅。
表紙はピンクと黄色の二種類ある。
買う日の気分でどちらかを選ぶが、ここ2冊はピンクを買っている。

小さいバッグに入れていくときのために、CampusのA6も常備している。
最近、ページの角を丸くカットしたタイプが出た。
ひんぱんに出し入れしても角がめくれあがったりしないのがうれしい。

きょう文房具屋さんでゆっくり手帳の棚にまで回って見ていたら、Campusのダイアリーというのが出ていた。
ノートと同じ装丁で中身がダイアリー。
さっぱりした感じが好もしい。
カバーを探す楽しみもあるし、来年の手帳はこれのA6にしよう。

ペンはZEBRAのSARASA、ブルーブラック。
ある人が、ノートを取るときにペンの色を変えるのもいいけれど、自分は太さを変えるのが好きだといっていた。
たとえば細字と太字を持っていて、見出しを太字で書いて本文を細字で書いたり、ぐおおっとわき起こってきたことを急いで太字で書き留めたりすると。
それ面白い、と思って、さっそく、ブルーブラックを0.4と0.7と1.0で揃えた。
出番の少ないのは0.7。
ほぼ宛名書き専用になっている。

こだわり、といったわりに、どれも大衆品なのだけれど、そこがまたこだわりたくなるゆえん。
それに、何かが切れたときに、街の文房具屋さんに飛び込めばたいてい補充できるのが強みだ。
原稿の途中でペンの色が変わるほどがっかりするものはない。
メモだって、書くたびにペンが違うと気分が乗らないものだ。

言葉はそのつど変わっていくが、見えている状況はいつも同質にしておきたいという、わたしなりの「枠」のつけかたなのだろう。
そのほうが言葉の変わっていくさまがはっきりするから。