先代とわたし

きょうは母と会った。
きのうは父の誕生日だった、と、母もいっていた。
父の好きだったお刺身を、仏壇にもちょっとだけあげて、自分はたくさん食べたそうだ。

わたしたちは三人家族だった。
バックグラウンドにはいろいろあったが、両親とわたし、という関係は、三で完結していた。
きょうだいがいたら、また違っていただろう。

三人で、よく出かけた。
日本橋、銀座、青山、原宿。
どこでもお茶ばかり飲んでいた。

きょうも母とランチを食べて、お茶を飲み、最後にまたお茶を飲んだ。
近い将来、母とまたいっしょに暮らすことになるだろう。
母の人生の締めくくりには、わたしが必要だし、わたしのこれからにも母が必要だ。
母と娘というだけでなく、コンビでもある二人。
三人時代の苦労を忘れて、うんと楽しみたい。
お父さんにはわるいけど。